職種別・実務自動化ガイド
経理担当者がChatGPTで仕訳・勘定科目の分類を効率化する方法(下書き活用の手順)
PR本記事はアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。紹介する商品・サービスの選定基準や体験談は編集部の見解に基づきます。
この記事を読むと何ができるようになるか
- 受け取った請求書・領収書などの証憑について、ChatGPTに勘定科目の候補と仕訳の下書きを出してもらう手順がわかります
- ChatGPTの「下書き補助」と、会計ソフトの「AI自動仕訳」がどう役割分担するのかを整理できます
- 無料の範囲でどこまでできて、どこから有料プラン・会計ソフトが必要になるのかを、事前に把握できます
経理業務のなかでも、受け取った証憑を「どの勘定科目で仕訳するか」を判断する作業は、件数が多いと地味に時間がかかります。この記事では、ChatGPTを仕訳・勘定科目分類の“下書き”として使い、判断の初速を上げる方法を紹介します。ポイントは、ChatGPTはあくまで下書き役であり、最終的な科目の確定と記帳は人と会計ソフトが担う、という役割分担です。
そもそもの課題: 「発行」ではなく「記帳」に時間がかかる
請求書を「作って送る」作業(発行側)については、専用のクラウドサービスで効率化が進んでいます。一方で、受け取った証憑を「どの科目で仕訳するか」を判断して記帳する作業(記帳側)は、次のような理由で手が止まりがちです。
- 「この支払いは“消耗品費”なのか“事務用品費”なのか」といった科目の切り分けに毎回迷う
- 新しい取引先・新しい種類の経費が出てくると、過去の仕訳を探して合わせるのに時間がかかる
- 判断の基準が担当者の頭の中にあり、引き継ぎや相談がしづらい
ChatGPTは、取引の内容を伝えると「一般的にはこの勘定科目が使われることが多い」という候補と、その理由を言葉で示してくれます。迷ったときの“たたき台”として使うと、ゼロから考えるより判断が速くなります。
⚠️ 注意: 勘定科目の選び方や税務上の取り扱いは、業種・会社の会計方針・税務判断によって変わります。ChatGPTの出力は一般論の下書きであり、最終的な仕訳の妥当性は自社の経理規程や顧問税理士に必ず確認してください。
無料でどこまでできる? ChatGPTと会計ソフトの役割分担
まず押さえておきたいのは、「ChatGPTの仕訳補助」と「会計ソフトのAI自動仕訳」は別物だということです。それぞれの守備範囲を整理します。
| 役割 | 何をするか | 必要なもの |
|---|---|---|
| ChatGPT(下書き補助) | 取引内容を伝えると、勘定科目の候補と仕訳の下書きを言葉で出す | 無料プランでも一定回数は利用可 |
| 会計ソフトのAI自動仕訳 | 銀行・クレカ連携で明細を自動取得し、過去の仕訳を学習して科目を自動推測・記帳 | freee会計・マネーフォワード クラウド会計などの有料プラン |
ChatGPTの無料プランは、執筆時点では標準モデルでのテキスト生成が中心で、仕訳の下書きのような用途は実用的に使えます。ただし、一定時間あたりの利用回数に上限があり、上限を超えると軽量モデルに切り替わる仕様です(具体的な回数・モデル名は変更されることがあります)。「一日中、大量の明細をまとめて分類させ続ける」ような使い方は無料では頭打ちになりやすい点は理解しておきましょう。
一方、freee会計やマネーフォワード クラウド会計のAI自動仕訳は、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、過去の仕訳を学習して科目を推測してくれます。ただし、これらの会計ソフトには常時無料のプランはなく、AI自動仕訳・明細の自動取得は有料プラン(無料はお試し期間のみ)から利用できます。
💡 ポイント: 「まずは無料のChatGPTで仕訳の判断を下書きしてみて、扱う件数が増えて手作業がつらくなってきたら会計ソフトのAI自動仕訳に移行する」という段階的な進め方が、コストと効率のバランスを取りやすい流れです。
全体の流れ(図解)
① 受け取った請求書・領収書などの証憑を用意する
│
▼
② 取引内容(日付・金額・支払先・目的)をChatGPTに伝える
│
▼
③ ChatGPTに勘定科目の候補と仕訳の下書きを出してもらう
│
▼
④ 自社の勘定科目・過去の仕訳ルールと照らして人が確認・修正する
│
▼
⑤ 確定した仕訳を会計ソフトに入力(件数が増えたらAI自動仕訳へ)
実際の手順
- ChatGPT公式サイトにアクセスし、アカウントがなければ無料登録する
- 自社でよく使う勘定科目の一覧(消耗品費・旅費交通費・支払手数料など)を、最初にChatGPTへ伝えておく
- 仕訳したい取引の内容(日付・金額・支払先・目的・支払方法)を、下記のプロンプト例のように渡す
- 出力された勘定科目の候補と、その理由を確認する
- 自社の経理規程・過去の仕訳と照らし合わせ、科目が妥当かを人が判断・修正する
- 確定した仕訳を会計ソフトへ入力する(件数が多い場合は会計ソフトのAI自動仕訳の導入を検討する)
AIに相談するためのプロンプト例(3つ)
会社ごとの科目ルールを最初に渡しておくと、出力が自社の実態に近づきます。
プロンプト例(取引内容から勘定科目の候補を出してもらう場合):
あなたは日本の中小企業の経理を補助するアシスタントです。
以下の取引について、考えられる勘定科目の候補を2〜3個、
それぞれの理由とともに挙げてください。断定はせず、
「一般的にはこう分類されることが多い」という表現でお願いします。
・日付: [日付]
・金額: [金額]
・支払先: [支払先名]
・内容/目的: [何のための支払いか]
・支払方法: [現金/クレカ/振込など]
当社でよく使う勘定科目: [消耗品費, 旅費交通費, 支払手数料 など]
プロンプト例(仕訳の下書き(借方・貸方)を作ってもらう場合):
以下の取引の仕訳の下書きを、借方・貸方の形式で作成してください。
・税区分(課税/非課税/対象外)についても、判断が分かれそうな
場合はその旨を注記してください。
・最終的な確定は人が行う前提の「下書き」として出してください。
[取引内容を貼り付け]
プロンプト例(自社の科目分類ルールを整理してもらう場合):
当社でよく発生する経費を挙げます。それぞれについて、
一般的にどの勘定科目で処理されることが多いかを一覧表に
まとめてください。判断が分かれやすいものには印をつけ、
「税理士に確認すべき」とコメントしてください。
[よく発生する経費の一覧を貼り付け]
AIに実際に下書きしてもらったやり取り
自分: 「取引先とのオンライン打ち合わせ用に、Web会議ツールの年間プランを12,000円で契約(クレカ払い)」。この取引の勘定科目の候補を教えてください。断定はしないでください。
AI: 一般的には「通信費」または「支払手数料」、ソフトウェアの利用料として「消耗品費」や「新聞図書費」ではなく「支払手数料」「通信費」で処理されることが多いです。継続的に利用するクラウドサービスの月額・年額利用料は「通信費」または「支払手数料」とする例が多く見られます。ただし、会社によっては「ソフトウェア利用料」といった独自科目を設けている場合もあります。年間一括払いのため、期をまたぐ場合は前払費用として按分する処理が必要になることもあります。最終的な科目・処理方法は貴社の会計方針や顧問税理士にご確認ください。
このように、候補だけでなく「期をまたぐ場合は前払費用の検討が要る」といった論点まで示してくれるので、確認すべきポイントに気づきやすくなります。一方で、最終的にどの科目にするかは自社の方針で判断する必要があります。
Before/After比較
| 項目 | 従来のやり方 | ChatGPT下書き活用後 |
|---|---|---|
| 科目の切り分け | 過去の仕訳を探して毎回考える | 候補と理由をたたき台にして判断 |
| 判断基準の共有 | 担当者の頭の中にある | プロンプトと出力で言語化しやすい |
| 最終確認 | 人が確認(変わらず) | 人が確認(変わらず・省略不可) |
※上記は一般的に想定される変化の整理であり、当社が数値として計測したものではありません。
使用例: ひとり経理の佐藤さんのケース
従業員十数名の会社で、経理を一人で担当している佐藤さんの例です。佐藤さんは、月末にまとめて経費を仕訳する際、見慣れない支払いの科目判断で毎回手が止まっていました。
- まず自社でよく使う勘定科目の一覧をChatGPTに伝え、「候補は断定せず理由つきで出す」ルールを設定しました
- 判断に迷う取引だけをChatGPTに渡し、候補と理由をたたき台にして自分で確定しました
- 明らかに前例のある取引は従来通り自分で処理し、AIは“迷ったときだけ”使うようにしました
- 月次の仕訳件数が増えてきたため、次のステップとして会計ソフトのAI自動仕訳の導入を検討し始めました
佐藤さんいわく、「迷ったときに相談できる相手ができた感覚で、判断のとっかかりが早くなった」とのことでした(これは佐藤さんの体感であり、当社が効果を計測した数値ではありません)。
気をつけたいこと
- ChatGPTの出力はあくまで一般論の下書きです。勘定科目の選択・税区分・按分などの最終判断は、自社の会計方針と顧問税理士に必ず確認してください
- 取引先名・金額などの情報を入力する際は、利用しているサービスのデータの取り扱い方針を事前に確認してください。機微な情報は伏せて相談する運用も検討しましょう
- ChatGPTの無料プランは一定時間あたりの利用回数に上限があり、大量の明細を一度に処理する用途には向きません。件数が増えたら会計ソフトのAI自動仕訳への移行を検討してください
- freee会計・マネーフォワード クラウド会計とも常時無料のプランはなく、料金・プラン内容は変更されることがあります。契約前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください
⚠️ 注意: 本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断を保証するものではありません。仕訳・税区分の最終確認は、AIの出力をそのまま使わず、必ず人(できれば有資格者)が行ってください。
よくある質問
Q. ChatGPTに仕訳を任せれば、経理が自動化できますか? 完全な自動化はおすすめしません。ChatGPTは科目の候補や下書きを出すのは得意ですが、自社固有の会計方針や税務判断までは代われません。「下書きは任せて、確定は人が行う」という役割分担が現実的です。
Q. 無料のChatGPTだけで運用し続けられますか? 件数が少ないうちは無料の範囲でも十分に補助として使えます。ただし一定時間あたりの利用回数に上限があるため、大量の明細を毎日処理するようになったら、会計ソフトのAI自動仕訳への移行を検討する段階です。
Q. 会計ソフトのAI自動仕訳は無料で使えますか? freee会計・マネーフォワード クラウド会計とも、AI自動仕訳や明細の自動取得は有料プランからの提供で、無料はお試し期間のみです。最新の料金・対応範囲は公式サイトで確認してください。
まとめ
受け取った証憑の仕訳・勘定科目分類は、ChatGPTを“下書き補助”として使うことで、判断の初速を上げられます。ただしChatGPTはあくまでたたき台であり、科目の確定・税区分・記帳の最終判断は人と会計ソフトが担う、という役割分担が前提です。まずは無料の範囲で「迷ったときの相談役」として使ってみて、扱う件数が増えてきたら会計ソフトのAI自動仕訳へ段階的に移行するのが、無理のない進め方です。