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AIエージェントに「部署」を分けて会社を運営してみた結果

PR本記事はアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。紹介する商品・サービスの選定基準や体験談は編集部の見解に基づきます。

この記事を読むと何ができるようになるか

  • 生成AIを「なんでも屋」として1人に丸投げするのではなく、役割ごとの「部署」に分けて動かす考え方が3分でわかります
  • ChatGPTやClaudeを使うとき、今日からすぐマネできる「役割分担のプロンプトの書き方」が具体例つきでわかります
  • 実際に7部署制で運用してみて、うまくいった点・つまずいた点を、数字を盛らずに率直に知ることができます

「AIに任せたはいいけど、出てきたものが合っているか結局自分で全部チェックしている」——そんな経験はありませんか。この記事では、その悩みを「役割を分ける」というシンプルな工夫で軽くする方法を、当社の実際の運用例とあわせて紹介します。難しい専門知識は不要です。

そもそもの悩み: AIに全部任せると何が起きるか

生成AIに、企画も執筆も最終チェックも一人二役どころか一人七役でやらせてしまうと、こんなことが起きがちです。

  • 「作った本人」と「チェックする人」が同じ視点のままなので、間違いに気づきにくい
  • 途中でどこまで進んだか、本人(AI)も見失いやすい
  • 結局、人間が最初から最後まで目を通す羽目になり、時短のはずが逆に手間が増える

人間の会社が「作る人」と「確認する人」を分けているのと同じ発想を、生成AIにも当てはめてみよう、というのが今回の取り組みです。

💡 ポイント: 難しく考える必要はありません。「同じAIに、作る役とチェックする役を両方やらせない」——これだけでも効果を体感しやすい工夫です。

実際に運用している組織図(図解)

当社で実際に運用している体制を図にすると、こんなイメージです。

社長(人間)
  │ 指示を出す

経営管理オフィス(司令塔となる会話)
  │ タスクを分解し、必要な部署だけ・必要な順番で呼び出す

  ├─▶ 企画部        … テーマ・キーワードを決める
  ├─▶ コンテンツ制作部 … 記事や文章を書く
  ├─▶ 開発部        … 自動化の仕組みやサイトを作る
  ├─▶ 品質管理部     … 事実確認・動作確認をする
  ├─▶ レビュー部     … 公開してよいか最終判定する
  └─▶ マーケティング部 … 成果を分析し、企画部にフィードバックする

  ※人事部だけは上の制作サイクルに加わらず、
    組織全体を横から継続的にチェックする役割

文字だけだとイメージしづらいので、表でも整理しておきます。

部署 主な役割 持たせている権限(ツール)の例
企画部 テーマ・キーワード・切り口を決める Web検索、資料の読み書き
コンテンツ制作部 記事・文章を書く 文章の作成・編集、Web検索
開発部 自動化やサイトの仕組みを作る ファイル編集、コマンド実行
品質管理部 事実確認・動作確認をする ファイル閲覧、コマンド実行、Web検索
レビュー部 公開・反映の可否を最終判定する ファイル閲覧、外部情報の確認
マーケティング部 成果を分析し改善案を出す Web検索、データの読み書き
人事部 組織全体を横から監査する ファイル閲覧、実行状況の確認

各部署に持たせる権限は必要最小限に絞っています。これを「最小権限の原則」と呼んでいて、たとえば文章を書くだけの部署にコマンド実行の権限までは持たせません。この設計の詳細は次の記事(Claude Codeのサブエージェントで「経営管理オフィス」を作ってみた)で解説しています。

経営管理オフィスという「司令塔」の役割

経営管理オフィスは、社長からの指示を受け取り、必要な部署だけを、必要な順序で呼び出します。依存関係のない作業は並列に実行し、各部署が作った成果物を統合して社長に報告する、いわば「COO・秘書室」のような立ち位置です。

たとえば「新しいブログ記事を1本作って」という指示が来たら、経営管理オフィスは次のように振り分けます。

  1. 企画部にテーマとキーワードの選定を依頼する
  2. 企画部の結果を受けて、コンテンツ制作部に執筆を依頼する
  3. 執筆が終わったら品質管理部に事実確認を依頼する
  4. 品質管理部のチェックを踏まえ、レビュー部に公開可否の最終判定を依頼する
  5. GOが出たら、社長に最終確認を取ってから公開する

実際にある運用ルール:GOサインが出るまで公開しない

品質管理部のチェックを経て、レビュー部が最終的にGO(公開・反映してよい)かNO-GO(差し戻し)かを判定するまでは、記事もコードも公開・デプロイされない、という2段階のゲートを設けています。

コード開発の場面では、レビュー部がNO-GOと判定したら担当部署に差し戻し、同じ指摘が3回連続で続いた場合は自動での修正ループを打ち切り、人間の判断を仰ぐというルールも設けています。構造的な問題を延々と自動リトライし続けて時間を浪費するのを防ぐための歯止めです。

⚠️ 注意: 「レビュー部がGOと判定した」ことと「実際に外部へ公開・送信してよい」ことは、当社の運用ではイコールではありません。公開・デプロイ・送信など外部に影響する行為は、GOサインが出ていても必ず人間が最終確認してから実行する、という一線を残しています。全自動化と言っても、この最後の一線だけは意図的に残しているのがポイントです。

Before/After: 1人のAIに全部任せる vs 部署に分ける

体感ベースの比較ですが、以下のような違いを感じています(数値検証は行っていないため、あくまで感覚的な整理です)。

観点 1人のAIに全部任せる場合 部署に分ける場合
チェックの視点 作った本人と同じ視点になりがち 別の役割が別の視点でチェックしやすい
進行管理 全部同じ会話の中で埋もれやすい 役割ごとに会話が分かれ、追いやすい
権限の広さ 1つの会話が全権限を持ちがち 役割ごとに必要な権限だけに絞れる
止まったときの原因特定 どこで詰まったか把握しにくい どの部署の工程で止まったか特定しやすい

自分一人でもできる「部署分け」のやり方(プロンプト例3つ)

Claude Codeのサブエージェント機能がなくても、ChatGPTやClaudeのチャット画面を複数立ち上げて、役割ごとに使い分けるだけで近い効果が得られます。ここでは実際にそのままコピーして使えるプロンプト例を3つ紹介します。

プロンプト例(企画役・壁打ち相手として使う場合):

あなたはこれから「企画担当」として、私と壁打ちしてください。
まだ実装や執筆はせず、次の3点だけを整理してください。
1. このテーマで読者・利用者が本当に知りたいことは何か
2. 競合や類似の情報と差別化できるポイントは何か
3. 最終的な構成(見出し案)のたたき台
出力の最後に「この内容で執筆担当に渡してよいか」を私に確認してください。

プロンプト例(チェック役・レビュアーとして使う場合):

あなたはこれから「チェック担当」です。以下の文章を、
自分では書いていない第三者の立場でレビューしてください。
・事実として断定できない内容が断定的に書かれていないか
・数値や効果を誇張して書いていないか
・読者にとって分かりにくい専門用語がそのままになっていないか
指摘は「修正案つき」で箇条書きにしてください。
最後に「公開してよいレベルか/差し戻すべきか」を明記してください。

[ここにチェック対象の文章を貼り付け]

プロンプト例(司令塔役・進行管理として使う場合):

あなたはこれから「進行管理担当」です。以下のタスクを、
どの順番で、どの役割(企画/執筆/チェック)に振ればよいか整理してください。
依存関係がなく同時に進められる作業があれば、それも教えてください。

タスク: [ここに依頼したい作業の内容を書く]

💡 ポイント: 3つとも同じAIサービスでかまいません。大事なのは「会話(チャット)を分ける」ことです。1つの会話の中で企画もチェックも両方やらせてしまうと、視点が混ざってしまいます。

使用例:フリーランスブロガー・宮田さんのケース

個人でブログを運営しているフリーランスの宮田さんを例に、実際の使い方を見てみましょう。宮田さんは「AIに記事を書かせているが、誤字や事実誤認に気づかず公開してしまうことがある」という悩みを持っていました。

  1. まず「企画役」のチャットを新しく開き、上記の企画役プロンプトを使ってテーマと構成案を作ってもらいました
  2. 企画役が出した構成案をコピーして、「執筆役」の別チャット(または同じチャットの新しいセッション)に渡し、本文を書いてもらいました
  3. 書き上がった本文を、今度は「チェック役」の新しいチャットに貼り付け、上記のチェック役プロンプトでレビューしてもらいました
  4. チェック役から「数値の表現がやや誇張気味」という指摘が出たため、宮田さんはその部分を自分で修正しました
  5. 最終的に、宮田さん自身が公開前にもう一度目を通してから投稿しました

ポイントは、「企画」「執筆」「チェック」を同じ会話でやらなかったことです。宮田さんいわく、「チェック役に切り替えるだけで、自分では見落としていた誇張表現に気づけた」とのことでした(これは宮田さんの体感であり、当社が効果を計測した数値ではありません)。

うまくいっている点(体感)

  • 役割を分けたことで、「書く人」の視点と「チェックする人」の視点が混ざりにくくなった感覚があります
  • 定型化され繰り返し発生する作業は、判定ルールをあらかじめ明文化しておくことで、都度の確認なしに回せる範囲を広げやすくなっています

※ここでの「作業時間が何%削減できた」といった具体的な効果測定値は、正式な計測を行っていないため本記事では挙げていません。実際の数値検証は今後の運用データが揃い次第、別記事で扱う予定です。

つまずいた点・失敗談

  • 複数のAIエージェントの稼働状況を1つの共有ファイルにまとめて書き込ませていたところ、別のエージェントが同じファイルを並行して編集し、片方の記録が上書きされて消えてしまったことがありました。以降は、監視用の記録は用途ごとに専用ファイルへ分離しています。
  • 停滞検知の仕組みを導入した際、想定よりかなり高頻度(数秒〜数分間隔)で通知が連続発火してしまう事象が起きたことがあります。直近一定時間以内は再実行しない、というガード条件を追加して対処しました。
  • 「PCが起動していれば常に監視が動く」ように永続的な監視の仕組みを用意しても、実際にはPCがスリープしている間は動作が止まり、復帰後もすぐには再開しないことがある、という制約に後から気づきました。

⚠️ 注意: これらは当社の運用で実際に起きたトラブルの記録です。同じ仕組みを取り入れる場合は、「共有ファイルへの同時書き込み」「通知の連続発火」「スリープ中の停止」の3点は特に事前に想定しておくことをおすすめします。

「部署」で分ける考え方は何に応用できるか

複数のAIエージェント(サブエージェント)を使い分ける環境がなくても、一人で複数のAIチャットを使っている場合、役割(企画・作成・チェック)ごとに会話やプロンプトのテンプレートを分けるだけで、近い効果が期待できます。「誰が作ったか」と「誰がチェックしたか」を最低でも1つ分けるだけで、AIの出力をそのまま鵜呑みにしてしまうリスクを減らせます。

たとえば以下のような場面で応用できます。

  • ブログ記事や資料を書くとき:「執筆役」と「チェック役」を分ける
  • 提案書や見積書を作るとき:「たたき台作成役」と「条件確認役」を分ける
  • コードを書くとき:「実装役」と「レビュー役」を分ける(詳しくはClaude Codeでコードレビューを自動化する方法で紹介しています)

まとめ

生成AIに部署を分けて会社のように組織運用するというのは、まだ多くの人が試していない切り口です。ただし完璧に自動化されているわけではなく、外部に影響する行為(公開・デプロイ・送信など)は必ず人が最終確認するラインを残しています。まずは「同じ会話で作る役とチェック役を兼務させない」ことから、今日のAI利用に取り入れてみてください。次の記事では、この仕組みを実際にどう実装したか(サブエージェントへのタスク振り分け設計)を紹介します。

関連する実務ガイド

編集部の実体験メモ

当社では実際に、企画・コンテンツ制作・開発・品質管理・レビュー・マーケティングの6部署に加え、組織全体を横断的に監査する人事部を合わせた計7部署をAIエージェント(サブエージェント)として運用しています。本記事は、その実際の組織設計・運用ルール・つまずいた点を一次情報としてまとめたものです。